JMCK-8002
「小諸」THE SIX WINDS (DE ZES WINDEN)
Mariette Rouppe van der VOORT(Sopranino Sax)、
Dies le DUC(Soprano Sax)、
梅津和時(Alt Sax)、Andrew WHITE (Tenor Sax)、
Ad PEIJNENBURG (Baritone Sax)、
Klaas HEKMAN (Bass Sax)
2,800円(税抜価格)2,940円(税込価格) 
※下線のあるものは、御試聴いただけます(MP3ファイルで約50秒間・現在準備中です)。
1 サターン SATURN
作曲:クラース・ヘックマン Klaas HEKMAN 7'14"
2 ビッチェ・ドン 'N BEETJE DOM
作曲:アド・パイネンブルグ Ad PEIJNENBURG 7'05"
3 アン・ストリート ANN STREET
作曲:チャールズ・アイブス Charles IVES
編曲:マリエット・ルーペ・フォン・デル・ボート Mariette Rouppe
Van Der VOOR 6'00"
4 いつだっていいかげん RUBBER BAND
作曲:梅津和時 UMEZU Kazutoki 7'24"
5 メンゲルビンク MENGELBINK
作曲:アド・パイネンブルグ Ad PEIJNENBURG 6'09"
6 スティックス STYX
作曲:ディース・ラ・デューク Dies Le DUC 12'35"
7 ムーン・ストラック MOON STRUCK
作曲:梅津和時 UMEZU Kazutoki 7'00"
Total time 53'27"
レコーディング
1、2、4、5、7=2002年7月3日 小諸 ほんまち町屋館
3=2002年7月6日 京都 磔磔
5=2002年7月1日 浦安 B: stile
THE SIX WINDS (DE ZES WINDEN)
ハン・ベニンク、ミシャ・メンゲルベルク等のオランダ・フリー・ジャズの流れを汲むリーダーのアド、現代音楽畑のマリエット、劇場音楽の作曲を主としているディース、ひたすらバス・サックスの可能性を求めて南米音楽からインプロまで、何にでもバス・サックスを持ち込んで挑戦しているクラウス、どうしてここにいるのか不思議なくらいジャズ界の大物といえるアンドリュー、そこに私、とくれば、はっきり言って何もまとまる訳はない。おそらくこれほど指向性の異なるサックス吹きを集めたアンサンブルは世界中どこにも無い。
The Six Windsの歴史は長く、76年にアドが始めたThe Four Windsというサックス・カルテットが前身というから、もう27年も続いている事になる。6人になったのが84年ということだから、そこからでも約20年、これも凄い。私やアンドリューが加わったのは、この99年からでその前にはBill
Smith(カナダ)、John Tchicai(デンマーク、USA)といった人達が在籍していた。この顔ぶれからすると、おそらく今より一層フリー・インプロヴィゼーションの要素が大きかったように思われる。
現在のメンバーになってもっとも興味深い点は、それぞれが作曲家として各ツアーごとに全く趣の異なった曲をこのバンドの為に提供している事だ。私が初めてこのユニットに招かれて、オランダ各地をツアー始めた当初、私は、正直、すぐこのユニットから足を洗う事を考えていた。ディースの曲は譜面的に難しいだけで興味を覚えなかったし、アドやクラウスの曲には昔ながらのヨーロッパ的フリージャズの匂いしか感じなかった。マリエットの曲は現代音楽の焼き直し、アンドリューの曲は60年代以前のアメリカ・ジャズという意味合いしか感じなかった。しかも、それぞれ自分の得意分野以外のアプローチは全く素人のようにしか見えず、私自身の曲をやるにしても、このメンバーは全く不似合いだ、としか思えなかった。
しかし、しばらくすると、それぞれ自分の得意とするメンバーを集めた時(例えば、アンドリューがアメリカのジャズバンドと、ディースがオーケストラと、マリエットが現代音楽グループと、アドがオランダのフリージャズ集団と)とは異なる音が、このユニットから聴こえ始めてきた。それぞれの曲は個性を発揮しだし、回を重ねるうちにThe
Six Winds独自の音を獲得してきたのだ。おそらくこのバンドでの一番良い点は、各々が各々の曲を尊重し、勘違いしながらも理解するまで諦めずに取り組むところだ。その結果、今までそれぞれが取り組んだ事の無いアプローチが生まれてくる。バリエーションは大きく膨らみ、多様な音楽の要素が入り組んで現れるようになった。まるで、それぞれが違う言語で一つの演劇を構成しているかのように。
2002年、我々は再びオランダで再会し、2週間のオランダ・ツアーと1週間の日本ツアーを体験した。この全てのコンサートはThe
Six Windsにとって貴重な宝物になった。各地の人々との暖かい交流も大切な財産である。ヨーロッパ、アメリカの人間には特に日本での体験は忘れられないものになったようだ。「小諸」はそういった暖かい町々、人々の象徴と言える。このユニットが今後どのように展開していくのか、おそらくメンバーすら分かってはいない。追求されるものが只一つの種類の音楽ではないからだ。
しかし、このアルバムを聴いていただいても分かるように、確実な一歩が踏み出された事は間違い無い。27年の歴史があろうとも、このユニットはまだまだ若く、本当の歴史はこのアルバムから始まった、と言っても過言ではないだろう。次の再会はおそらく2004年。ユニットのコンセプトにより、全てが新しい曲に入れ代わる。又、新しいステップが踏み出される。
梅津和時
<メンバー紹介>
マリエット・ルーペ・バン・デル・ヴォート
Mariette Rouppe van der VOORT(Sopranino Sax)
ロッテルダム・コンサバトリーのフルート科卒業。常に新しい作曲家の作品を紹介している、オランダのオーケストラDe Volharding
and Hoketusに 在籍。又、度々オランダのリードプレーヤーAb Baarsと共演。彼女のグループ"De
Roup Group"に於ては、イギリスのピアノ奏者Veryan Westonとベルギーのトランペット奏者Bart
Marisと共に、John Cage等の現代音楽作品、そして彼女自身の作品を演奏している。彼女はオランダの即興音楽シーンにも強い影響力を持っている。
ディース・ラ・デューク
Dies le DUC(Soprano Sax)
ソプラノサックス奏者としてばかりではなく、劇場音楽、映画音楽、ダンス音楽そして各種イヴェントのための音楽の作曲者として、その高い能力が評価されている。最近ではミドルブルグ市の2000年のプロジェクトとして、彼は教会の鐘、手回しオルガン、30人のミュージシャンから成るサウンド・スケープの音楽監督を努めた。また彼の最新の大きな野外イヴェントは7人の打楽器奏者とアンプで増幅された沸騰する水の音から成る作品であった。
梅津和時
UMEZU Kazutoki(Alt Sax)
70年代中盤、NYで活動、70年代後半、生活向上委員会〜80年代、D.U.B 、RC SUCCESION等で活躍。 他ジャンルとのコラボレーション、
企画プロデュース等も行う。欧米での演奏活動も活発に行ない、海外のジャズフェスにも多数出演。リード楽器を自在に操る稀有なインプロヴァイザーとして高く評価されている。
近年はアジア、アフリカ諸国での活動も活発に行なっている。現在は、梅津和時KIKI BAND、こまっちゃクレズマ、新大久保ジェントルメン他、数グループを主宰しライブ活動を精力的に展開中。最新アルバムに『眩暈の国』(KIKIBAND)『月光石のしっぽ』(こまっちゃクレズマ)http://www.j-music.com/umezu/j/index.html
アンドリュー・ホワイト
Andrew WHITE (Tenor Sax)
アメリカのワシントンDCから参加。マルチ・ミュージック・プレーヤーであり、オーボエ奏者としてオーケストラに在籍し、ベース奏者としてはStevie
Wonder、Fifth Dimension等、数々のファンク、ポップ・バンドを経験し、もちろんジャズ・サックス奏者としては、ElvinJones、Weather
Report等のバンドで高い評価を得ている。さらにコルトレーン研究、評論家、エッセイスト、数々の音楽のコピー集や教則本の発行も手掛けている。
自身のアルバムも42枚を数える。
アド・ペイネンブルグ
Ad PEIJNENBURG (Baritone Sax)
The Six Windsのリーダー。近年ドラム、パーカッション奏者とのコラボレーションが多く、南アのThebe Lipere
や Louis Mohoro、イギリスのAlan Purves,Steve Hubback,日本の風巻隆、オランダのHan
Bennink,Wim Janssen,Rick van Iersel等と共演している。また、彼は数々の世界中から様々な音楽家をオランダに招聘。その中にはL
ol Coxhill,Butch Morris,Denis Charles,Joe Sachse,Billy Jenkins,Lars
Rudolph等がいる。また、オランダと日本のインプロバイザーを組み合わせるDeshima Ensembleを企画している。
クラース・ヘックマン
Klaas HEKMAN (Bass Sax)
バス・サックスをソロ楽器として20年以上追求し続けている人間は他に例がない。バンドDe Nazatenでは南米スリナムのダンス音楽を、彼とWilbert
de Joode,William Parker,Hideji Taninakaの3人のウッドベース奏者から成るIntermissionではハード・コア・インプロミュージックを演奏。01年にはインプロ・ダンサーDavid
Zambranoと岩下徹(山海塾)を招き、プロジェクト"Rising"を行った。
制作=清水紹音
Excutive Producer=SHIMIZU Joh-on
プロデュース=梅津和時
Musical Producer=UMEZU Kazutoki
録音=小川洋
Recording Engineer=OGAWA Hiroshi
マスタリング=スタジオ プラン*プラン(2003/4/18)
Mastering=studio Pelen * Pelen (2003/4/18)
カバーアート=松井朋子
Cover Art=MATSUI Tomoko
デザイン=藤原邦久
Design=FUJIWARA Kunihisa
英訳=山田ちさと、マーク・エドワーズ
Translator=YAMADA Chisato, Mark EDWARDS
スペシャル・サンクス=
小諸うめ組、西尾友里、多田葉子、久原大河
安保紹隆、磯部宗寛、B:stile、新宿 Pit inn
加納章子、デルフィーン、大野瑞代、磔磔、天王寺HOOP
自然館、スタジオ空、イル・フェ・ボー